22:40、アサヒ温泉(銭湯)のある牧駅(大分から1駅)のホームにたたずむ関西人。
単線の日豊本線、駅は無人駅、そして待つ電車は下り最終電車。 何がしたいのか意図不明なこの男は、これから九州を南下する。 終電で!!
方向からして帰る気ないのでは?というバカな移動だ。 この電車で、終点の「佐伯」というところまで行く。 時間にして1時間20分。 ついた頃にはもう日付が変わってる計算になる。
終電の車内は閑散としており、車窓も真っ暗なのですることもない。先ほどの“のぼせ”も手伝い、終点までぐっすり眠ってしまった。
0:01、終点佐伯に到着した。 この頃になると乗客も自分を含めわずか5人。
佐伯駅も比較的大きいものの、多分に漏れず地方色を発揮していた。 当然終電の到着するこんな時間にバスなんぞなく、タクシーすらいない。 この駅で降りた乗客たちは歩いて自宅に帰るなり、家族が車で迎えにきてるなりで、足早に闇に消えて行った。
駅前にコンビニもないこの街で、自分はどこへ向かうのか? またしても闇の中を黙々と歩きだした。 コンビニはないものの、24時間営業のスーパーが場違いにあったので、夜食(というより非常食)を調達してまた歩く。
10分ほど歩き、到着したのは『佐伯港』。 ここ佐伯も港町で、ここから四国へフェリーが出てるのだ。 それも24時間運行している。 24時間運行とはいえ、のべつ幕なしに出港してるわけではない。
現在0:30。 そして次のフェリーは3:00出港する。 あと2時間半。ここで時間つぶしをしなければならない。
港とはいえ、あたりは漆黒の闇。人っ子独りいない。 そして何よりフェリー乗り場の建物までもが真っ暗。 入口も施錠されてる。
待合室で仮眠すればいいと思ってた予定がものの見事に崩れる。 そしてなによりココはめたくちゃ寒い。 このままでは死ぬ! 我が命を守るべく、必死で歩き周り、開錠されてる待合所への入口を発見。 九死に一生を得て施設内へ進入することができた。
昨年のレアル戦遠征後に仮眠した岐阜の「木曽福島駅」を彷彿とさせるような寂しい待合室で、ひとり寒さにふるえながらいつしか夢の中にいた。
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■九州の次は・・・ |
■凍死するような寒いトコ |
■ちなみにこちら木曽福島駅
04年レアル戦遠征紀より |
午前(深夜2時半)、辺りの騒がしさで目がさめた。 2時間まるまる寝たようだ。幸い風邪もひかず奇跡的に生きていた。
待合室にはおどろくほどたくさんの人がいた。乗船手続きが始まっていたのである。 みんな3時のフェリーにのる客。どこから沸いてきたんだと思ったら99%自動車で乗る客。みんな駐車場で仮眠してたよう。 フェリーも入港しており、一般客(人間だけで乗る客)から乗船が始まる。驚いたことに、自分以外に3人の「人だけ乗船」の客がいた。彼らはどこから来たんだろう?そしてどこで寒さに耐えていたんだろう??? 分からん。
フェリーの行き先は対岸の高知県。所用時間はジャスト3時間。 乗船するや否や、すぐにまた眠りについた。2等客室はただのカーペット敷きのスペースに毛布があるだけだが、これでも横になって寝れるだけありがたかった。
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■けっこうデカいフェリー |
■カーペットでも大満足 |
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